コラム

公開日 2025.07.02 更新日 2025.07.02

POSレジ導入に使える補助金・助成金とは?申請時の注意点も紹介

飲食店の業務効率化や顧客サービス向上に欠かせないツールとして「POSレジ」が注目されています。POSレジは、商品を効率的に管理できるだけでなく、売上データの分析や在庫管理もサポートします。しかし、導入には費用がかかるため、補助金や助成金の活用が重要です。

この記事では、POSレジ導入に利用できる補助金や助成金の種類、申請時の注意点を解説します。費用負担を軽減しつつPOSレジを導入するための情報を提供しますので、飲食店経営者の方はDX推進にお役立てください。

POSレジ導入に使える5つの補助金

POSレジの導入は、店舗の業務効率化や売上管理において重要ですが、導入には多くの費用がかかります。そこで、費用負担を軽減するために補助金の活用が有効です。POSレジ導入に利用できる補助金は以下5つです。

  • IT導入補助金
  • 小規模事業者持続化補助金
  • ものづくり補助金
  • 中小企業省力化投資補助金
  • インバウンド対応力強化補助金

それぞれの詳細を理解し、最適な支援を受けましょう。

IT導入補助金

中小企業や小規模事業者がITツールを導入する際に利用できる支援制度です。POSレジの導入にも活用可能で、業務効率化や売上管理の改善を目指す企業にとって有用です。POSレジ導入の場合は一般的に以下の「インボイス枠(インボイス対応類型)」が適用されます。

ソフトウェアPC・タブレットなどレジ・券売機など
補助率
  • 中小企業:3/4以内
  • 小規模事業者:4/5以内
2/3以内1/2以内1/2以内
補助額50万円以下50万超〜350万円以下10万円以下20万円以下

 

注意点
  • 交付決定前の費用は対象外
  • 申請にはgBizIDが必要
WebサイトIT導入補助金

さまざまな申請枠が用意されており、企業のニーズに合わせて選択できます。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者が、販路拡大や業務効率化を目的として投資する際に利用できる補助金です。POSレジ導入による業務効率化も対象となる場合があり、事業の継続や成長を支援します。

補助額・補助率最大200万円、補助率は2/3 
注意点
  • 事業計画書の提出が必須
  • 締切を守ること
  • 申請にはgBizIDが必要
Webサイト小規模事業者持続化補助金

さまざまな枠があり、いずれか1つのみ申請可能です。

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、生産性向上を目的とした設備投資を支援する制度です。革新的なサービス開発や業務改善を目指す企業に適しています。2つ枠がありますが、以下に「製品・サービス高付加価値化枠」の詳細をまとめました。

補助額・補助率最大2,500万円、補助率は1/2から2/3 

※1,000万円の上乗せ条件あり

注意点
  • 事業計画書が必要
  • 電子申請が基本
  • 申請にはgBizIDが必要
Webサイトものづくり補助金

なお、補助金額は従業員数によって異なるため注意が必要です。

中小企業省力化投資補助金

中小企業省力化投資補助金は、人手不足解消を目的として、IoTやロボットなどの汎用製品の導入を支援する制度です。POSレジの導入も対象となる場合があり、業務の自動化や効率化に役立ちます。

これまで、カタログに掲載された製品のみ対象でしたが、令和7年から「一般型」が新設されました。一般型の詳細は以下のとおりです。

補助額・補助率最大8,000万円、補助率は1/3から2/3

※従業員数によって上乗せの可能性あり

注意点
  • 交付決定前の費用は対象外
  • 申請にはgBizIDが必要
Webサイト中小企業省力化投資補助金

従業員数や企業規模によって細かな条件が設定されているため、注意しましょう。

インバウンド対応力強化補助金

都内に訪れる外国人観光客のニーズに対応するための取り組みを支援する制度です。POSレジの多言語対応やキャッシュレス機能の導入が補助の対象となり、観光客を受け入れる店舗に有用です。

補助額・補助率最大300万円、補助率は1/2から2/3
注意点
  • 発注先企業が申請代行した場合は対象外
  • 交付決定前の事業は対象外
Webサイトインバウンド対応力強化支援事業補助金

申請者自身が慎重に価格を比較する必要があります。発注先企業が申請書類を代行して作成した場合や、事前に購入・設置されたものは交付対象外です。

POSレジ導入に使える3つの助成金

助成金の活用により、POSレジ導入時の費用負担を軽減が可能です。補助金とは異なり、助成金は比較的広範な事業目的に対応しており、条件を満たせば受け取れる可能性が高いのが特徴です。ここでは、以下3つの助成金を紹介します。

  • 業務改善助成金
  • 働き方改革推進支援助成金
  • 事業環境変化に対応した経営基盤強化事業

それぞれ見ていきましょう。

業務改善助成金

中小企業や小規模事業者を対象に、生産性向上を目的とした設備投資を支援する制度です。この助成金は、POSレジの導入を通じて業務効率を上げ、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合に利用できる場合があります。以下に概要をまとめました。

助成額・助成率最大600万円、助成率は4/5から3/4

※助成率は最低賃金引き上げ額により変動

注意点
  • 地域別最低賃金との差額が50円以内であること
  • 不当解雇や賃金引き下げがないこと
Webサイト業務改善助成金

申請には、事業場内最低賃金の引き上げ計画と設備投資計画を事前に立て、これらを実施したあとに支給申請しなければなりません。

働き方改革推進支援助成金

労働時間短縮や労務環境の改善を図るための、設備投資やコンサルティング費用の一部を支援する制度です。企業の働き方改革の取り組みを後押しし、労働環境の向上を目指します。目的に応じた複数のコースが用意されており、それぞれのコースで異なる成果目標が設定されています。

助成額・助成率コースごとに細かく設定されている
注意点
  • 1事業者1回のみ
  • 36協定の締結が必要
  • パソコンは対象外
Webサイト働き方改革推進支援助成金

申請するためには、労働者災害補償保険の適用事業主であることや、年次有給休暇の取得促進に向けた就業規則の整備が求められます。成果目標を達成することで助成金を受給できるため、自社の課題に合ったコースを選び、計画的に取り組むことが重要です。

<h3>事業環境変化に対応した経営基盤強化事業</h3>

中小企業や小規模事業者が変化するビジネス環境に対応し、経営基盤を強化するための取り組みを支援する助成制度です。この制度は、既存事業の「深化」や「発展」を目指す企業に対し、必要な経費の一部を助成します。コースは2つあり、企業が直面する課題に柔軟に対応するための支援策として注目されています。

助成額・助成率最大800万円、助成率は経費の2/3以内(賃金引き上げ計画で最大4/5)
注意点
  • 東京都内の中小企業が対象
  • 既存事業に関連する取り組みのみ対象
  • 申請にはgBizIDが必要
Webサイト事業環境変化に対応した経営基盤強化事業

既存事業との関連性が薄い取り組みや、単なる設備の維持更新は助成対象外のため注意が必要です。対象となる経費は、機械装置やシステム導入費などが含まれます。

POSレジ導入で補助金を申請する際の5つの注意点

事前に準備を整えることで、スムーズに申請手続きを進められます。ここでは、補助金申請時に押さえておきたい5つの注意点を紹介します。

  • 対象条件を把握する
  • 申請スケジュールを確認する
  • 必要書類を準備する
  • 採択されないケースも想定する
  • 費用は一旦自費で支払う

それぞれ見ていきましょう。

対象条件を把握する

特定の業種や地域に限定された補助金が多数あり、対象条件を満たしていなければ、補助金の申請は下りません。また、一定の売上規模や従業員数が条件となる場合も少なくありません。

公式ガイドラインや募集要項を熟読し、自社の状況と照らし合わせて条件を満たしているか確認しましょう。条件を満たしていない場合は、別の補助金を検討することも考えてください。

申請スケジュールを確認する

補助金の申請期間や締切日は厳格に設定されており、小刻みで申請期間が区切られている場合があります。また、年度ごとに申請期間が異なることもあるため、公式サイトや発行される通知などで最新情報を確認することが大切です。

スケジュールをカレンダーに記載し、提出期限を見逃さないようにしましょう。締切間近になって慌てないよう、余裕をもって準備を進めることが重要です。

必要書類を準備する

申請には多くの書類が必要です。たとえば、事業計画書や財務諸表、納税証明書などがあげられます。これらの書類を事前にリストアップし、漏れがないように準備しましょう。

書類の正確性や不備がないことを確認するため、第三者にチェックしてもらうことも有効です。必要書類が揃わない場合や不備がある場合は、申請が却下されるリスクがあり、注意が必要です。

採択されないケースも想定する

補助金は必ずしも採択されるとは限りません。採択されなかった場合に備えて、ほかの資金調達方法をあらかじめ検討しておくことが賢明です。

たとえば、銀行融資やほかの補助金、助成金の活用などが考えられます。また、事業計画の見直しやコスト削減策を考えておくと、予期せぬ事態にも柔軟に対応できるでしょう。

費用は一旦自費で支払う

補助金は事業完了後に支給されることが一般的です。そのため、導入にかかる費用は一旦自費で支払う必要があります。

たとえば、POSレジの購入費用や設置費用などが対象です。これらの費用を自己資金でまかなえるよう、事前に資金計画を立てておきましょう。資金繰りに支障が出ないよう、必要であれば金融機関からの借入れも検討し、資金に余裕をもたせておくことと安心です。

まとめ|POSレジ導入の際は補助金を活用しましょう

POSレジ導入の初期コストを抑えるためには補助金・助成金の活用が欠かせません。各種制度を利用することで費用負担を軽減しつつ、店舗運営をスムーズに進められます。

また、補助対象がPOSレジそのものだけではなく、周辺機器やソフトウェアも含まれる場合があります。どこまで導入を進めるのか、あらかじめ計画しましょう。

なお、AI予約やCRM、POS連携を含む多機能型システム「Qder」を導入すると、業務効率化と売上アップが期待できます。店舗のDX推進を考えている方は、ぜひ「Qder」の導入を検討してください。

今すぐ無料で体験